公表した木祖村の勇気に喝采!
公表しない=厄災は、疑心暗鬼
4月18日の信濃毎日新聞に掲載された4つの記事に注目しました。
まず私の住む奈良井のおとなりの木祖村、唐澤一寛村長が4月17日、県内初の小学生の新型コロナウイルス感染者が同村小学校に通う児童であることを公表しました。
いっぽう長野県は当初から一貫して市町村名ではなく保健所管内としか公表しないので、同日の別の記事では、あらたな感染判明者の女性が、木祖村が前日発表した小学生と「同居の祖母」で木祖村の人であることがわかりますが、県はあくまで「木曽(保健所)管内の女性」を通していることが記事からは読み取れます。
私は木祖村の公表に喝采を送ります。公表までの経緯はいろいろあったようですが、公表以降、当該感染したみなさんが地域で疎外されたり差別的扱いを受けたりということは聞こえてきません。村長は、公表したことで学校の消毒など感染防止対策に専念できる、といいました。風評対策も同時に行っていることでしょう。木曽郡内の他町村では、県の「木曽郡内での感染者」発表以来「発生場所捜し」が始まったといいます。公表がなければ疑心暗鬼がより広まったでしょう。
一方、18日の別の記事で、2月末に県内で初めて感染が確認された「松本保健所管内」の男性について、ネット掲示板に実在の会社名を挙げてデマ情報を流し会社の名誉を傷つけたとして、県警サイバー犯罪捜査課が松本市の会社員の男を書類送検したことが報じられました。
疑心暗鬼
この松本市の例は、あきらかに市町村名を公表しなかったことの負の作用が働いたものと考えられます。当時、塩尻市内でもいろいろな根も葉もないうわさが飛び交いましたが、すべて公表しなかったことによる疑心暗鬼が伝染していった結果でしょう。
塩尻市でも市内企業が役員の感染を公表しましたが、それによる負の作用は今のところなく、あわせて同社の徹底した感染防止対策も公表されてむしろ同企業への信頼感が高まっていると聞きます。
県が市町村名を公表しないのは、公表による差別的暴力を避けるための慮(おもんぱか)りでしょう。しかし疑心暗鬼による人間不信を生んでいます。
正確な情報は、正しい出し方をすれば疑心暗鬼を駆逐(くちく)します。県は情報発信のあり方について、もう一度考え直してみるべきと思います。
(つづく)